新築一戸建ての外壁選びをする上で意識するべきポイントとは?
建物の印象を左右する外壁選びは家づくりの重要なポイントです。外壁にはさまざまな種類があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。それを知っておけば、自分が何を選択すべきなのかの手掛かりになります。ここでは新築一戸建てに使われる外壁の種類と特徴、意識するべきポイント、カラー選びについて紹介していきます。
新築一戸建てに使われる外壁の種類ごとの特徴
新築一戸建てに使われる外壁の種類について紹介していきます。
まず、塗り壁があります。費用は1m²あたり2,000円から8,000円程度です。使用する素材はさまざまでモルタル、土、珪藻土、植物、石灰石を細かく砕いた漆喰などがあります。それぞれ耐用年数が異なり、風合いもまったく異なりますが、共通した特徴は汚れたり、傷がついたりしてメンテナンスが必要な場合、塗ればよいという手軽さです。足場の問題さえ解決すればDIYすることも可能です。デメリットは他の部材と比較してメンテナンス頻度が高いことが挙げられます。これは素材そのものが衝撃や汚れに弱いといった性質によるものです。メンテナンスの単価自体は他と比較して安いです。
次に紹介する素材は、窯業系サイディングです。窯業系サイディングは、一般的な新築一戸建てに多く使用されている外壁材です。費用は1m²あたり4,500円から8,000円程度で、性能、機能によって値段が異なります。セメントや繊維質などを板状に加工し、窯で高熱処理を施して製造します。耐震性や防火性に優れ、石風、レンガ風、木目風等、バリエーションは多岐にわたります。屋根材と組み合わせることで和風、洋風、北欧風等あらゆる風合いを表現できる優れた素材です。
サイディングのデメリットとして挙げられるのがサイディング同士を結合するときにコーキングを使用することです。コーキングは風雨、光に晒されると劣化しやすく、ヒビが入ったり痩せたりするとその部分から漏水し、内部腐食やシロアリ発生の原因になります。このため、コーキングはサイディングのメンテナンス周期よりも早く打ち直す必要があります。ただ、最近ではコーキングの目地を作らない貼り付け方を採用する製品もあり、従来品に比べて価格は高いですがメンテナンス周期を長くできるので人気です。
金属系サイディングというものも存在します。ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金を原料としており、軽量で耐久性に優れます。1m²あたり4,500円から7,000円程度です。外観は金属のメタリック感があり、シャープで洗練された印象を与え、モダン建築に多く採用されています。デメリットは金属なので一度傷がつくと錆びる可能性があることです。毎年台風が来る沖縄や、海が近い地域にはあまりおすすめできない素材です。
ALCという素材もあります。ALCは内部に気泡を含んだ特殊なコンクリートです。内部にある気泡が空気の層を作り、熱伝導を遮断するため断熱性が高く、耐火性や耐久性、防音性に優れます。デメリットは1m²あたり7,500円からと価格が高いことと、防水性が高くないことです。内部の気泡に水が浸透すると膨張やひび割れが起こる可能性があり、内部構造の腐食やシロアリ発生の原因になることもあります。高温多湿で雨が多い日本では採用に賛否がある素材といえます。
新築一戸建ての外壁選びをする上で意識するべきポイント
新築一戸建ての外壁選びをする上で意識するべきポイントは、自分が家を建築するにあたって何を重視するかを考えて外壁を選ぶということです。価格を最重要視するなら、モルタル仕上げでメンテナンスは自分で行うのがいいですし、耐久性とメンテナンス性の両立を重視するならサイディングを選択するのがよいでしょう。
高品質で非常に高い耐久性、耐震性を求めるのであればALCを選択するのがよいでしょう。いずれもメンテナンス周期や費用も異なります。将来的なメンテナンス費用も考慮したうえで自分にとって最適な外壁材を選びましょう。
新築一戸建ての外壁はカラー選びも大切!
住宅を建築するにあたっては外壁のカラー選びも重要です。一軒だけ派手な色使いでは周りの景観の調和を乱してしまいます。また、白に近い色は経年による汚れが早い周期で目立つようになります。最近では光触媒等で汚れが落ちる製品もありますが万全とはいえませんので、グレーやベージュといった汚れが目立ちにくい色を選ぶのが無難といえます。
光の当たり具合、朝、昼、夜で色の見え方は大きく異なる場合がありますので、外壁材のサンプルを確認するとともに、現地に足を運んで異なる時間で見え方を確認すると安心です。最近では3Dツールを利用して完成予想のイメージを出力している会社もあるので、参考程度に活用しましょう。
新築一戸建てに使われる外壁の種類ごとの特徴、外壁選びをする上で意識するべきポイント、カラー選びについて紹介してきました。それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、自分にとってどれが最善なのか建築会社とできるだけ念入りに協議を重ねて結論を出すようにしましょう。上記を参考に自分の納得のいく外壁材を見つけてください。