鉄骨造の新築一戸建てを建てるメリット・デメリットを解説!
日本の一戸建て住宅の多くが木造住宅ですが、最近は鉄骨造の住宅も増えてきています。木造と鉄骨造、どちらで家を建てようか悩む方も多いでしょう。鉄構造のメリット・デメリットを知っておけば、判断材料のひとつになります。そこで今回は、鉄骨造住宅の特徴と、鉄骨造で新築一戸建てを建てるメリット・デメリットをご紹介します。
鉄骨造住宅の特徴
鉄骨造住宅は、構造部の材料に鉄骨を使った住宅のことを指します。鉄鋼造住宅は、軽量鉄骨が使われる住宅と、重量鉄骨が使われる住宅に分けられます。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
■軽量鉄骨
軽量鉄骨で鉄骨造住宅を建てる際に多く使われる工法が「鉄骨軸組工法(ブレース工法)」です。鉄骨軸組工法では、柱や梁をボルト接合で固定します。鉄骨軸組工法で建てられた軽量鉄骨造住宅は、鉄鋼造住宅の中でも低コストなため、一戸建て住宅に選ばれやすいです。
■重量鉄骨
重量鉄骨の鉄骨造住宅は「鉄骨ラーメン工法」という工法が主に用いられています。鉄骨ラーメン工法は、柱や梁を溶接し、枠を一体化する構造体です。軽量鉄骨造住宅に比べて、間取りの自由度が高くなります。重量鉄骨造住宅は強度が強いので、地盤が強い場所で、マンションや大型デパートなどに使われることが多いです。
鉄骨造の新築一戸建てを建てるメリット
鉄骨造の新築一戸建てには、一体どんなメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
■広くて大きい空間を作りやすい
鉄骨造住宅は、建物の主要部分が頑丈な鉄骨でできているため、木造住宅よりも少ない柱や壁で家を建てることができます。そのため、広くて大きい空間を作りやすいのです。間取りの自由度も高くなるので、より理想の間取りで家を建てることができます。
■高い耐震性
鉄骨造住宅は、地震が起きた際、鉄がしなることで地震によるエネルギーを吸収します。そのため、木造住宅に比べて耐震性が高いというメリットがあります。また、木造住宅は木材の種類によって耐震性が異なりますが、鉄骨造住宅の耐震性は安定しているため、その点も安心できます。
■安定した品質
木造住宅の場合、使われる木材の種類によって品質が異なります。また、木材を扱う職人の腕によっても、木造住宅の質が左右されてしまいます。一方鉄骨造住宅で使われている材料は、工場で生産されているため、品質が安定しています。職人の腕によって住宅の質が変わるということもないので、安心です。
■シロアリの害がほぼない
木造住宅の場合、シロアリが木材を食べることで木が腐ってしまうシロアリ被害が大きなデメリットとして挙げられます。一方鉄骨造住宅は金属で作られているため、シロアリの被害に遭うことはほとんどありません。そのためシロアリ対策も不要です。
鉄骨造の新築一戸建てを建てるデメリット
ここからは、鉄骨造で新築一戸建てを建てるデメリットを見ていきましょう。
■建築コストがかかる
鉄骨造住宅を建てる最大のデメリットは、木造住宅よりも建築コストがかかってしまうことです。それは、木材よりも鉄骨の方が、材料費がかかるからです。また、鉄骨造住宅を建てるには、地盤の強度が高い必要があります。土地の地盤調査をして、地盤が弱ければ、地盤改修工事が必要になります。そうした費用も含めて、建築コストが全体的に高くなってしまうのです。
■断熱性が低い
鉄は、熱が伝わりやすいという特徴を持っています。外気の熱が家の中に伝わってしまうため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。さらに、断熱性が低いことで急激な温度変化が起こり、内部結露が発生してしまうことがあります。結露の水分は鉄が錆びてしまう原因となるため、結露を防ぐためにも断熱施工や防湿施工が必要になります。
■防音性・遮音性が低い
鉄骨造住宅は、鉄筋コンクリート造の住宅に比べると防音性や遮音性が低くなってしまいます。鉄筋コンクリート造の住宅はコンクリートで造られているのに対し、鉄骨造住宅は鉄の骨組みで造られているからです。ただし、鉄骨造は木造住宅よりも強度が高いので、床や壁を厚くでき、防音性や遮音性を高くできます。
■固定資産税が下がりにくい
木造住宅は、住宅の経年劣化によって固定資産税が下がりやすいです。一方鉄骨造住宅は、経年劣化のスピードが遅いため、固定資産税も下がりにくくなります。ただ、固定資産税は多く納めなければなりませんが、経年劣化しにくいということは、家そのものの質を保つことができるということになります。
鉄骨造で新築一戸建てを建てるメリットとデメリットをご紹介しました。マンションなどの大きな建物に使われるイメージが多い鉄骨ですが、一戸建てでも鉄骨造住宅を建てることは可能です。鉄骨造住宅には、耐震性が高いなど多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。メリットとデメリット両方を理解した上で、自分の理想の家づくりに鉄骨造が適しているかどうか考えてみてください。素敵な家が建ちますように。